2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

白き瓶

明治三十七年 伊藤左千夫 「小生は常に新聞などで、児を捨てて召集に応じた、妻を離別して奮起したなどといふ、報道を見る度に、甚だ不快に感ずるので、そんなことは皆虚説であると思ひ居り候、真に死を覚悟しての首途に,親と別れ妻子と別れこれを最後の見…

久保猪之吉と長塚節

久保猪之吉と長塚節 のぞみ多き春よことしの此のゑまひとこしへに消えずあれとのみ 久保猪之吉 久保猪之吉の父は福島二本松藩士。猪之吉(1874~1939)は、東京帝国大学卒業後イタリアに留学し、帰国後京都帝国大学福岡医科大(現九大医学部)教授。たまたま…

工藤正廣

GESCHICHTE(ゲシフテ) 去年ウナムーノをかじったとき最初に自分で作った西文は「La(ラ) vida(ヴィーダ) es(エ) la(ラ) literatura(リタラトゥーラ)」だった。「人生は文学だ。」 そのときむりやりに読んでいるものにピッタリだと思った。かじっただけだけど…

後藤利雄

後藤利雄(山形大学。専門は万葉集。)「邪馬台国と秦王国」 ○倭 また騰黄神獣有り、その色は黄、状は狐のごとく、背上に両角竜翼有り、・・・日本国に出づ、寿三千歳、黄帝得てこれに乗り、遂に六合(くに)を周旋す。・・・―― 『雲笈七籤』巻一百「軒轅本紀…

美浜日記2020/07/04

こちらに「なし」という言葉がある。 東京弁でいうなら「なぜ」。 ただし、「なぜ」とちがってじつに頻繁に使われた。 大人の言うことに「?」を感じた子どもは即座に(相手が親でも先生でも)「なし?」語尾は上がらない。だから小学校の先生はつねに「なし…