2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

中沢新一『フィロソフィア・ヤポニカ』を読む。〔 7 〕

GFへ 一月から読み継いできた『フィロソフィア・ヤポニカ』も大団円を迎えてしまった。なんだか、つまらない。で、「エピローグ」を読み残すことにした。 「すぐれた小説は、読者が予想していたとおりの終わり方をする」と言ったのは誰だったか。・・・・…

インターミッション2「ナマのままで文明化しようとすること」

GFへ 3月25日のことから書く。 その前日、大好きだった人の通夜があった。すでに入院なさっていることは知っていたから覚悟はできていた。今年は年賀状もださなかった。でも、やっぱり不意打ちをくらっった。・・・・たまたまその日、晩飯を食う約束を…

中沢新一『フィロソフィア・ヤポニカ』インターミッション

GFへエリー・フォールの言おうとしたことがやっとわかった。(たぶん) 「セム人は去勢されなければならなかった」とは、「ユダヤ教は去勢されなければならなかった」、つまり、「ユダヤ教を去勢して人間に飼い慣らすことが可能なものにしたのがキリスト教…

中沢新一『フィロソフィア・ヤポニカ』を読む―6―

GFへ 先週からワクワクしていた第7章に入る。例によって、自分にとって厄介なところは省きながら書き抜く。――「ティマイオス」を読みなおしてみると、プラトンという人が、概念的なことばのつくり方や使い方について、とても慎重で緻密な思考をしていたこと…

2010.3.12読書教材より

今日で、この読書教材も終わりです。最終回は、せめてhが考えていることを勝手に書かせてもらいます。年寄りの思い出話みたいになると思いますが、辛抱して読んでください。 小学校5年生のクリスマス・プレゼントに、父親が子ども用の自転車を買ってくれま…

ホンモノの幽霊だったりして

GFへ東洋大のPが「お勧め」だというリービ英雄の『千々にくだけて』を読んだ。読んでいて変なことばかり考えていた。 性不同一障害というのがあるが、文化不同一障害というのもあるのかもしれない。 文化というのはもともと極めてドメスティックなものだ…

中沢新一『フィロソフィア・ヤポニカ』を読む。〔5〕

GF信へ 偶然だが月命日になった、「大塚一敏先生を偲ぶ会」は無事終わった。しめっぽくならないようにと(亡くなった日にあった学年会の時、時枝先生が泣いているので尋ねてはじめて大塚先生の死を知った、と同級生から聞いた)西公園にある、海が見えてはれば…

1中沢新一『フィロソフィア・ヤポニカ』を読む。〔4〕

GFへ実はいま戸惑っている。 中沢新一の言っていることが、そのまま自分には理解できている気がする。いや理解というよりは、それがそっくりそのまま自分にとっても当たり前のことにしか感じない。 やっと、当たり前のことを当たり前に言う人物が現れた。 …

『伝統的景観保護法』を

明治以来の日本を眺めたとき、「この国はけっこういい線を行ってたんじゃないか」と感じる。いや、今も悪くない。「明治時代の日本の方が品格があった」などというノウテンキなことを言う方もいらっしゃるけど、たとえ品格がなく下品な国になっていたとして…

先生、古検に合格しますよ

GFへ一カ月ぶりの朝の散歩。チビたちがぶりぶりウ?コをする。雨続きだったからきっと出ししぶっていたのだろう。 江戸時代、関西まで米の積み出しをしていたという小さな港に行くと、カモのペアが2組、波に揺られている。 ーーまだ残っていたのかーー では…

2009冬 文明としての宗教

GFへ 長崎の外海町にいったのは何年前になるのか。午後の陽光に輝く東シナ海の美しさはさることながら、あの日は実に不思議な時間だった。われわれに賛美歌をうたってくれた修道女の方も忘れがたいが、遠藤周作記念館も、なんだか原体験的な記憶になってい…

中沢新一『フィロソフィア・ヤポニカ』を読む〔Ⅲ〕

GFへ 今日は別件からはじめる。 久しぶりの休日で、朝からのんびりしていると、チビたちも家主さまもえらく機嫌がいい。ありがたいこっちゃ。「早めの墓参りに行って、晩飯前に帰ってくる」というと、家主さまはいよいよ上機嫌になった。退職後も、毎日で…

2009夏

例によって、思い出話からはじめます。 題名も作者も忘れましたが、中学生のとき読んでいた本の中で、何ごとかをなそうとするのを躊躇する仲間にむかって、ある登場人物が「僕たちはコペルニクスを生んだポーランド人なんだぞ」と励ます場面がありました。「…

これ昼ドラじゃないですか

GFへ オリンピックは、訳の分からない内に終わってしまった。 女たちの代表みたいだった浅田真央が銀メダルだったのには、残念な気持ちとホッとした気持ちがないまぜになっているようだった。 こちらはGと全く同じで、家主の機嫌がそれほど悪くはなかった…

自分が仏になりたいと思うのが仏教だ。

Fへもう何年前になるか、授業の初めに「昨日のところで何か質問はないか?」と言ったら手を上げた生徒がいた。全校集会で校歌を歌う時、手拍子をとって教頭から大目玉をくらった生徒だった。 「先生、先生は死んだらどうなると思いよると?」 ちょうど前の…