2013-01-01から1年間の記事一覧

岩田幸雄について

2013/12/30 新年早々のおさわがせです。 F氏にいただいたコマイをしゃぶりながらお手紙いたします。 「ピーナッツを食べるのを途中でやめることができる人間がいたらそれは世界でもっとも勇気にみちた人間である」とは、たしかイギリスのジョーク。 「塩マ…

2013.12.20

原阿佐緒 かなしくもさやかに恋とならぬ間に捨てねんとさへ惑ひぬるかな 家毎にすもも花咲くみちのくの春べをこもり病みて久しも 沢蟹をここだ袂に入れもちて耳によせきくいきのさやぎを 夕霧にわが髪はぬれ月見草にはかにひらくをたちてみつるかも大西民子 …

スコバのアーレント

2013/12/13 ひさしぶりのセンター対策授業初日。 漢文は去年のセンター対策以来。 漢文を教えているときが、この教師はいちばんイキイキしていると思う。 「理解力とは翻訳能力のことなんだ。わたしたちに理解できるのは自分のことばしかないなんだよ。他人…

ただに死なせがたし

2013/12/05 秋山佐和子による三ヶ島葭子の評伝を読んだ。 あめつちのあらゆるものにことよせて歌ひつくさばゆるされんかも と読んだ歌人だ。 冒頭に親友だった原阿佐緒の歌 うつそみのなやみの限り堪へ来つる友がいのちよただに死なせがたし また葬儀(42才…

ギドン・クレーメルOVERTONE琴線の触れあい

2013/11/29(金) 『OVERTONE琴線の触れあい』ギドン・クレーメル ●なにかにつけ、人生は(遊園地の)お化け屋敷のなかを走り抜けるコースターのようなものだと思われてならない。急に角を曲がったかと思うと・・・お化けが顔を撫でる。・・・コースターは闇…

小林秀雄についてのまとめ

2013/11/22(金) パク・キュヒ「ソナタ・ノワール」をかけながら一足はやい週末。(俳句にはなっていないか。) 今日は、最後の対談で「あれはいい」とご本人が言っていた河上徹太郎の『小林秀雄』はこれだな、と思うものに出会ったので送ります。 実は、そ…

音楽談義

Sへ ショスタコービッチの5番か。 たぶん聴いたことがあるんだろうけど、浮かんでこない。 じつは、シンフォニーを聴くということじたいが滅多にない。 若い頃は少しは聴いたが、いまは室内楽一本。 シンフォニーは音の数が多すぎて、オレの耳では対応でき…

草柳大蔵『満鉄調査部』下巻ぬきだし

草柳大蔵『満鉄調査部』読了 『満鉄調査部』をよみ終えて2週間ほど。その間、もちろん他のものを読んだりはしていたのだけれど、なんだかボォーッとしていた。 また自分の中の組成が変わった気がする。どう変わったのかはわからないけど、いわばその内部の変…

詩句歌

水原秋桜子 春雷や暗き厨の桜鯛 大倉郁子 蝉の死の鳴きつくしたる軽さかな 富安風生 藻の花やわが生き方をわが生きて なにもかも知ってをるなり竈猫 まさをなる空よりしだれざくらかな 満月を生みし湖山の息づかひ こときれてなほ邯鄲のうすみどり 飯田蛇? …

語録

語録・鉄は熱いうちに打て、鉄を打つときは鉄よりも強く打て。 ・ものに触われ。ことに触われ。空気に触われ。 ・卵を割らなければ、オムレツをつくることはできない。 ・リリシズムとは、言いおおせようとして言いおおせないもどかしさの感覚の響き合いのこ…

ことば

こ と ば白川静 ・神話をもち、祭政的政治をしていた殷を倒した周は神話をもっていなかった。だから天命を持ち出す以外に王権の根拠を示すことができなかった。 ・万葉の最終巻は、大伴家持の日記のようなものが大伴家に残されていた。(それをもとに作られ…

西陵の四季

2013/10/20西陵の四季海をみよう 坂をのぼって 海がみえる とおくちかく 広石は夢はぐくむ丘 われらのあおく遥かな夢を陽はのぼる 早良の原に 陽はしずむ 玄海の灘に つくし野は西のまほろば われらのあかく熱いこころは風がよぎる 那珂川めざし 風がおこる …

本・映画・音楽

映画 大地と自由 ナージャの村 アレクセイの泉 ブルース・チャトウィン ブラックの釣り船のつながれた海岸風景 徹底した引き算の構図本 ユンガー 放射 大理石の断崖の上で 日記 つづく一節は、戦争文学のなかでも醜悪さを争う場面である。モ ネの初期の画風…

行きたいところ

行きたいところ 日本篇食べ物屋 鯨 一乃谷 内神田2−7−6ゆまにビルB1 03−3254−6096 鯨 とんぼ 長崎市銅座町11 095−820−8234 鴨治部鍋 ばん亭 加賀市大聖寺町 0761−73−0141 猪鍋 ももんじや 両国 泊まりたい宿 川越市 佐久間旅館 0492−24−0012 湯河原温泉 源…

イサム・ノグチ展と野見山暁治展

2013/10/13広島・尾道報告 イサム・ノグチ展と野見山暁治展に行ってきた。 広島のはイサム・ノグチだけでなく、ピカソ、ミロ、ダリ。これでもか、これでもか、という感じでヘトヘト。が、それはそれとして。 丸木位里・俊『原爆の図』、平山郁夫『広島生変図…

福岡西陵高校新応援歌原案

福岡西陵高校新応援歌原案ポンポンを持ちながらながら歌えるために 西陵イエス まぶしい光きょうも 夢よとどけ明日に きみは昨日のぼく 未来は息ひそめ わたしたちを待っている 西陵イエーイ、イエーイ、イエーイ ○○ブウウ、ウウ、ウウ ふくおか 西陵 ゴオ …

草柳大蔵『満鉄調査部』上巻ぬき出し

2013/09/15 昨夜、草柳大蔵『満鉄調査部』上巻を読み終えて、いったん休憩。 はじめての名前が続々と出てくるので、途中で思い立って名前にマークをいれていくことにした。「あれ? 以前出てきた名前だ」。その度にマークを探して、「ああ、あの男か」。つい…

「認識」できるのは部外者だけだ

一昨日(29日?)は「暑い」という表現じゃ間に合わないもの凄い熱気。なにしろ窓を開けていると熱風が入ってくる。「こんなところにエアコンの排気装置はおいていないはずなんだが、、、。」それぐらいの異常な熱気だった。 ついで昨日からは豪雨。天気予報…

現前の虚、未来という可塑的な過去

2013/08/22 いつごろからかインターネットに繋がらなくなったので、しばらく電源を切っていたらまた繋がるようになった。機械の考えていることはよくわからない。ピッピやガロの考えていることなら95%は分かる。家主の考えていることは100%の自信がある。…

堀田善衛『橋上幻像』をよむ。

2013/08/02 本日をもって前期高齢者と認定されました。「あとは好き勝手に生きろ」ありがたいことです。寛大な為政者に感謝。実はもうちょっと前から、思いっきり「好き勝手」をやらせていただいております。 それにしても、自分にこんな年齢が用意されてい…

ブランシュヴィック&レヴィナス&ブランショ

「歴史的理性」は、あとになってから(絶対的なものを)照らし出すのである。遅れてやってくる明証性、それがおそらくは弁償法の定義なのだ。」レヴィナス 「存在すること、それは語ることに等しい。ただし、いかなる対話相手も不在であるところで語ることで…

限りなく無神論にちかい一神教

「限りなく無神論にちかい一神教」について──チャトウィンを読みながら ──いつ書き終えるのやら── 『パタゴニア』を、もう期限がすぎているのにまだ読んでいる。 今日のところには、アーチー・タフネルというイギリスからの移住者で、地元民からあつく信用さ…

アンネの日記

生徒向けプリントより「やがて四人はあるゲームをはじめる。アンネ・フランクの日記を読んだことのある人ならば、自信の属する国や民族がなんであろうとま、このゲームの主題を一度は考えたことがあるのではないか。」――角田光代――『アンネ・フランクについ…

比ガ里荘便り2013,07

2013/07/01 山小屋にいってきた。 周辺の紫陽花の青さは、10数年まえに行ったウィンダミアの湖畔の紫陽花を思いだしたほどにじつにきれいだった。あそこの風景も、水彩でなくては描けない。(紫陽花は日本原産だと読んだ気がするがホントかな?) 庭のヒメシ…

ことばの力

2013.6.27配布するかどうか迷っているプリント フランク・アンネの日記とブルース・チャトウィンを読んだあと、なにやら別のことが頭に浮かんだので、それを一学期さいごのわたしからのことばにしようと思います。 いま、ロンドン郊外のウィンブルドンでは硬…

雑報

2013,6,23 ガロの体調が日増しに目に見えてよくなっていく。昨日は玄関先のベンチに助走なしで飛び乗ろうとした。さすがにズリ落ちかけたから、あわててサポートしてやった。気がついたら自分で二階にあがってきていることもある。 それにつれて困ったことが…

沖縄の話をしよう

2013/06/22今日は沖縄の話をしよう もう夜中の12時半だけど、いい気持なので書きます。今日は、(いや実際には昨日はになった)国語科の歓送迎会だったのです。 他校に転勤になった人も駆けつけてくれたし、あたらしく三人も迎えた。非常勤のくせにそれがう…

「忘れないこと」を強要する社会は病んでいる。

2013/06/14 朝からなんだかスッキリしなくて、「今日はいちにちウツラウツラして過ごそう」と思っていたのだが、10月に北九州である朴葵姫なるギタリストのサロン・コンサートのチケットをはやめに手に入れたかったのを思いだして、自転車でローソンに。 と…

どうして我々は美しいと感じるのか

Mへ 「どうして我々は、美しい、と感じるのか」という、当然といえば当然の疑問。質問が160キロの真っ向勝負なのに、それにストレートに応える能力が自分にはない。 で、いつものように搦め手から話すことにする。 たぶん、いつまでたっても搦め手ばかりで…

吉本隆明デビュー

吉本隆明『固有時との対話』 前期高齢者入りを目の前にして、吉本隆明著作集Ⅰ『定本詩集』を買った。きっかけは同封の、病院の待合室でめくっていた週刊誌の鹿島茂による刺激。健康診断でおどされて通いはじめたのだが、それはそれで面白い。 詩集をひらいて…