2013-01-01から1年間の記事一覧

熊野純彦『lレヴィナス入門』読了

熊野純彦『lレヴィナス入門』Ⅱ部より●自己(主体の主体性)とは〈私〉の同一性の破損である。自己はたえず自己からずれてゆく。主体性はあらかじめ破綻しており、傷ついている。 ●ハイデガーの哲学は「所有し大地に家をたてる、定住民族の運命を表現してい…

熊野純彦『レヴィナス入門』途中経過

熊野純彦『レヴィナス入門』途中経過──日常性において在るとき、私もまた「ひと」のひとりであって、「この私」としては生きていない。世界は安定した意味をもち、私はその安定性とひきかえに、「この私」としての生をなかば喪失している。──熊野純彦訳ハイ…

『17才のための日本と世界の見方』はお勧め

ずいぶん長いこと使ってきたコピー機がついに「カタッ」。前回のも、その前のも、この「カタッ」の一音で動かなくなった。途中経過がまったくない。どうも今の文明を象徴しているように思えてならない。 (『ニーチェの馬』のタル・ベーラは「世界の終焉は劫…

「恨」の国。「姦」の国。

GWはあっさり終わって、さあまた出稼ぎ。 神戸に単身赴任中前のトイメンも、先月末お父さんとひさしぶりに顔を合わせて、ほっとした。 まさに他人事なんだが、まだ奥さんのお腹が大きいころに引っ越してきたので、一人息子のことは産まれるまえからよく知…

結合し且つ分離するもの

I先生へ 葉書を投函した次の日、お手紙を受け取りました。 内容の一部が入れ違いになったようですが、ありがとうございました。ふかい満足感を得ることができました。わたしは若いころから、いい出会いに恵まれてきましたが、今回もまたそうです。しかもそ…

象徴はリアル中のリアルだと思う

GFsへ 松岡正剛の『千夜一夜』に、『心理学と錬金術』があったので、こんど送ります。たぶん、かれにとってはその発想に類似点がある恰好の読み物だったんじゃないかな。 いまは、『人間心理と宗教』を三分の一ほど読んだところ。例によって夢分析になっ…

ユング『心理学と錬金術』抜粋Ⅳ

ユング『心理学と錬金術』抜粋Ⅳエピローグ●錬金術者著述家たちの努力が、・・・・多くの象徴を産む原動力となった。・・・・それらの象徴材料こそ個体化過程に綿密な関係を有するものにほかならない。 ●われわれは錬金術という現象を内面から、つまり心の観…

ユング『心理学と錬金術』(池田紘一訳)抜粋Ⅲ

第三部 錬金術における救済表象・科学は衆知のごとく星辰を機縁として始まったものであるが、その際人類は星々のうちに自分たちの無意識の支配者、いわゆる「神々」を発見した。同様にまた獣帯の不思議な心理的性質をも発見したが、これはまさしく天に向かっ…

ユング『心理学と錬金術』(池田紘一訳)抜粋Ⅱ

第二部 個体化過程の夢象徴・海は光り輝く表面の下に予想もできない深さを隠しているから、集合的無意識の象徴である。 ・意識の無意識に対する反抗も蔑視も、ともに歴史的必然である。さもなくばそもそも意識は無意識から分化することはできなかったであろ…

ユング『心理学と錬金術』(池田紘一訳)抜粋Ⅰ

ユング『心理学と錬金術』(池田紘一訳)抜粋Ⅰ第一部「錬金術に見られる宗教心理学的問題」・西洋人は個々ばらばらの事物しか見ようとせず、あらゆる存在の深奥に横たわる根源に対しては無自覚である。これに対して東洋の人間にあっては、そのような個々の事…

旅のとちゅう

経過報告 今回の旅行についてはいまだ「経過監察」中。つまり、ICU?に入っている状態。布団にはいって目を閉じたら、見た光景がまざまざと甦ったりする。もちろん後半の岩手・宮城二日間の話。もともとニブいほうなんで、まだジワジワと進行中なのです。…

野見山暁治さんのことば

野見山暁治さんのことば 『画文集 目に見えるもの』(2011)より1999以前 ・ぼくは大正九年、福岡県嘉穂郡穂波村に生まれ、飯塚小学校、嘉穂中学と、かつての筑豊炭田のどまんなかに育った。・・・現在でも、手垢にまみれた何か人工的な自然が人間の…

ショートカットきわめつけ

GFへ 2013/03/11 いつだったか、「あはれ論」を図解して以来、まだこだわっている。 というか、若いころからだいたいそうだった。 なにかに取り憑かれたように書いたあとで、「なんであんなものを書いたんだろう?」と考える。それが、自分を見ることだっ…

右膝ピンチ

2013.2.28 Sへ メールを送ろうとしたら、そちらから先に届いた。 ユミちゃんも明日卒業。 スケベ爺さんとしては、ちょっぴり寂しくなる。 昨夏、「四人の子持ちになりました」と暑中見舞いをよこしたやつは、超田舎者の純朴なやつだったが、東京に出てすぐ、…

東北の詩人

2013/02/20 きのうはほぼ一日小雨。つめたかった。 けさ散歩にいくと、遠くのやまの稜線付近はしろくなっている。 あとで散歩から帰ってきた主婦は、「長野県みたいやった」とご満悦。入試シーズンから卒業式までに、例年も一度くらい寒波がやってくる。だい…

2013嘉穂同期会福岡支部新年会

1013.2.11 2月9日は、高校同期会の新年会にはじめて参加した。 ──あの男は誰やったかね?顔に見覚えがあるっちゃけど。 ──なん言いよるとね。応援団長やないね。 そんなことばっかり。女はもとの顔とそんなに変わっていないのだが、男のほうが老けてしまっ…

斎藤陽一詩抄

斎藤陽一詩抄 一九〇九年 明治四二年 宮城県生 昭和三年 古川中学卒 一九三三年 昭和八年 死去 旅影? 彼女は彼女の頑な田舎の叔父さんを樫鳥(カケス)だといって眩しく笑ふのです。 無 題 1 ひっそりしてゐる。獅子鼻のカンテラが行く手に燃えて時々落ちる…

信州へ

2013/01/25(木) Sへ 福岡は先週、それこそ年に一度の大雪。ただ窓から見ただけだが。 木曜日からずっと寝込んでいた。大したことではなかったはずだけど、熱がとれない。まだ体に熱がこもっている感じだけど、今日から出勤。ほかの人はどうなのか知らない…

新・忘れられた日本人

GFsへ 今朝は川が凍っていた。橋を渡る人影が表面に映って動いてゆくのが美しかった。この冬いちばんの冷え込みだったかもしれない。 それでもチビたちは元気。行く気マンマンで外に飛び出してゆく。 ──セーター着せる? ──要らん。 筒井功『新・忘れられ…

ドーリス・デリエ

2013/01/01 とりとめもなく書いてゆく。 ほんとは明日の午前中、頭がはっきりしているときに書こうと思っていたのだが、よく考えたら明日は、箱根駅伝を応援しなくてはならない。わが明治は、往路で最低5位以内につけておかないと、来年へのシード権が危なく…