2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

絶滅危惧種のことその他

GFへ 今日も引きつづきダラダラと書く。 なにしろ歳末だ。今年は自分に褒美をやり損なった。最後の一年も、ひたすら誠実に働いたのだから、なにかもらってもバチは当たらないと思うのだけれど。けっきょく今日一日眠りつづけたことが一番の褒美かな。 絶滅…

積極的無常

GFへ たぶん一週間ぶりくらいになると思う。ただし、別れたのは二日前だけど。 今年もいい旅をすることができた。菊姫と七本槍と包装紙が魅力的なフナ寿司を見つけられなかったのは残念だったが、また来年の課題としよう。松尾大社、重森三玲旧居、若狭三…

ことばの力――パート?――

何ヶ月か前、朝日新聞社の「私たちは信じます。ことばの力を。」というCMにギョッとなったことがある話をした。その続きです。ベレーザもとエース大野 (本人のすぐ横で)「理解しているのかなあ、あの子供は。」――「プレーの幅を広げようとし続けるか、や…

高貴な遊技の砦

『定家名月記私抄』後鳥羽院・大遊戯人間>中の引用の孫引き。 「詩作(ポイエーシス)とは、一つの遊戯機能なのである。それは精神の遊戯空間の内で行われる。――中略――そこで物事はの中にあった時とは異なった相貌を帯び、ものとものとは、論理や因果律とは別の…

閑話休題(2)

前回は、みずから「先住民の息子」と名乗る根拠のひとつを紹介したところまでだった。 時間の順番通りに話すと、中学生のとき、白土三平の『カムイ外伝』を息をころして読んだ話は何度かした。そのなかで死んでいくヒロインが、「土の中は暗くて怖いから、水…

先住民宣言

閑話休題 高校3年のときの現代文の先生は佐賀県出身の石田忠彦先生だった。先生はのちに、鹿児島大学副学長におなりになったのだから、すごい方に習ったことになる。ただし、授業が上手だったという印象はない。起承転結を説明するときに、「神田鍛冶町の糸…

定家と式子内親王

堀田善衛 定家名月記私抄(3) 正治二年40歳 「 梅の花にほひをうつす袖のうへにのきもる月の影ぞあらそふ なまじな解説などをしたのではぶちこわしになる恐れが多分にあるが、まず、男に去られ、軒端も破れた破屋に住む女性の袖が舞台となっていて、そこに…

バーンスタインのマーラー

GFへ まずは、前回言い残したこと。 よみがえりに必要なことで大事なこと、いまの人々が嫌いがちなことが、あとひとつあった。・・・繰り返すことだ。G流にいうなら、「年輪のように同じ経験を積み重ねること」。ほんとうの内側からの輝きはその積み重ね…

よみがえりの日々

GFへ いつだったか、リィーと毎日、朝昼夕の散歩をした春休みがあって、「こんな毎日なら、あと100年つづいても退屈しない。」と感じたと書いた。そのつづきの(つもりの)話です。もちろんあの「こんな毎日」とは、まったく同じことを繰り返す毎日のこと…

カヤクグリの声を聴いた

25日(日)読売の朝刊一面に、東大教授山内昌之なる方が、「菅首相も新たな外交ビジョンをつくるべきではないか・・・・有権者は国民の安全を保障すべき政府の能力に懐疑的になっている。」と書いている。その物の言い方がやたらと気になるので、一筆啓上。 …

僧院の庭

2010/12/06 向田邦子のエッセイの、「夜中の薔薇」や「眠る盃」はGもFも覚えていると思う。「童は見たり、野中の薔薇」を夜中と、「春高楼の花の宴 巡る盃」を眠る盃と勘違いしていた、という話だ。誰にでも似たような経験はあるはずで、読んだとき笑い出…

浦上天主堂の復活コンサート

GFへ ヒ素を食べて生きる細菌が発見されたという記事の横に小さく、何年かまえに旭川で発見された「○○クマムシ」のことが載っていた。もちろん日本人が見つけたものだ。 完全に乾燥させても生き返る。乾燥させたら、温度を200数十度まで上げても、液体窒素に…

日本人という世界遺産

若いころ日本人の描いた抽象画を見ていて、どこか具象画のしっぽを引きずっている気がして、もどかしさをおぼえてイライラした。もどかしさを覚えたということは、「いっそんこと、オレが描いちゃろか。」という気分になったというほどの意味だ。それくらい…

自分の力で生きている、という誇り

GFへ井上呉服店のこと 前々回だったか、一昔前はサラリーマンよりは自営業の人や自由労働者が多かった、という話をした。ただし、統計資料を見たわけではない。育った場所が商店街だったし、すぐそばにあった住友系の炭鉱で働いていた多くの人は自由労働者…