カヤクグリの声を聴いた

 25日(日)読売の朝刊一面に、東大教授山内昌之なる方が、「菅首相も新たな外交ビジョンをつくるべきではないか・・・・有権者は国民の安全を保障すべき政府の能力に懐疑的になっている。」と書いている。その物の言い方がやたらと気になるので、一筆啓上。
 「有権者が懐疑的になっている」かどうかはどうでもいい。あなたはどうなんですか? Mrカンに「外交ビジョンをつくれ」というのは、身長160㎝の60男に、「これから努力して180㎝になれ。」と言っているのと同じ事だとは思わなかったのね、あなたは。
 あなたの言っていること一つ一つには間違いはない。しかし、あなたは自分自身の拠って立っている場所、その地盤をまったく明らかにせずに論説している。その地盤なしにものを考えたり、意見をいうことを空論という。それでは、軍国主義時代のチシキジンたちと同じなんじゃありませんか? でも、今の日本にはもう特高はいなくなってることをご存じないのかも。
 と、ここまで書いて、はたと思うことがある。
 あなたはきっと、Mrカンたちに肩入れなさってたのね。だから、苦言を呈していらっしゃるのね。いいんですよ。わっちも、お陰でいまの日本はだいぶ風通しがよくなったとは思っているんだから。でも、いまでは、12700万人のなかで一番嫌いだったMrカンが嫌いでさえなくなってしまった。
 人を見る目は政治学者にとっては大切な能力だと思うけどな。
 それに、政治はリクツではなくて情念で動く。外交はなおさらそうだ。その情念を見ぬく目なしに政治学は成り立たない。
 筋道だてたお話はもう要らない。「お前は無能なんだから、はやく首相を辞めろ。」と言いましょう。 その一言をはっきり言うか、言わないか、どっちに転んでも生き延びられるような言説はもう聞き飽きた。政治家以前に、そういう方々が日本をこんなにしちゃったんだと思うよ。

別件
 チビたちがガラス戸の向こう側の庭に向かってけたたましく吠えるので見ていた。少しまえ、近くの家の庭でみかけたジョウビタキ(らしき小鳥)が我が家にも訪問してきていた。
 「日本野鳥の会」の鳥の鳴き声CDが届いた。ところが一番聴きたかったカヤクグリの声は入っていない。がっくりしてハガキの文句を書いて送った。その話を教室でしたところ、「先生、こいつの電子辞書なら鳴き声を聴けますよ。」シャープのブレインという。その話を絶滅危惧種にしたもんだから、今年のクリスマス・プレゼントはそれということになった。
 なお、わが電子辞書には言葉で、「鳴き声はチリリリリリ。地鳴きはチリリン。」とある。