2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

洲うた〈9〉

〈洲うた〉9 終章は頭も胴体もない尻切れトンボの脚本になる。 時は昭和二十一年はじめ。 引き揚げ船のなかで知り合った男から「好きなだけ居ていい。酒だけはいくらでもある。」と言われて、酒を飲むこと以外に何もしていなかった所に幼なじみの同級生から…

今月の詩 2016/01

いくら読んでも偏差値は上がりそうにない学習プリント 今月の詩 2016年1月 新年おめでとうございます。 また新しい年がやってきた。 君たち若者にとっては、あるいは「それなん?」かも知れないけれど、68年目の新年は、それだけで感動的なものがある。(感…

洲うた 7・8

洲うた〈7〉 劇中劇の抜粋は終わったのだが、まだ本体の構想が出来上がらないので、一、二回まわり道をする。いわば幕間講談です。 グループホームで不思議な夜を過ごして戻ってくると、テレビで明大卒の男の第2回目の一筆書き山行があっていた。去年利尻…

洲うた 5・6

洲うた〈5〉 これはもともと戯曲として構想していた。が、どう頭をひねっても舞台劇にもラジオドラマにもならない、ということを家族に話したら、「なら、映画にすればいいやん。」そうか、とプランを練り直したが、やはりひとつの形にする能力はいつまで経…