2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

西村蓬頭

雑談 父親は冗談のことをゾウタンと呼んでいた。あれはひょっとしたら「雑談」だったのかもしれない。あの「ゾウタンのごつ!」をもう一度聞いてみたいな。 高橋治『含羞』 侘助に狂いはじめたら、もうとめどがない。 私の年齢まで生きると、日本の女どもの…

二十世紀の俳句(一)

私家版 二十世紀の俳句(一) 2014/03/06 用のなき雪のたヾ降る余寒(よかん)かな 新米や塩打つて焼く魚の味 井上井月 埋火や何を願ひの独りごと 一八二二?〜一八八七? 病床やおもちゃ併べて冬籠り 正岡子規 一八六七〜一九〇二 かすみ草やさしき嘘に人畢る…

私家版 井月抄

私家版 井 月 抄 岩波文庫『井月句集』からの抜粋 原本は歳時記構成になっている。 春用のなき雪のたヾ降る余寒かな定まらぬ空に気のせく弥生かな春風や碁盤の上の置き手紙春雨や心のまゝのひぢ枕手がはりに持つ家づとや春の月淡雪や橋の袂(たもと)の瀬田の…