2012-01-01から1年間の記事一覧

比加里荘便り2012/12/30

年末最後の恒例行事である山小屋に行ってきた。昭和5年生まれのオーナーも元気。 ──寒くて外を歩けなくなったので室内歩行器を買って練習していたら、こんどは筋肉痛で動けなくなった。 ススキと枯れ葉と枯れ草の彩りが絶妙でうっとり。それに夕方の散歩の…

年末旅行報告

2012/12/28(金) 終日雨の予報。 傘をさしてコンビニに行っていたら、近所のお年寄りから声をかけられた。 ──今日もご出勤ですか? いえ、今日から冬休みです、と答えると、 ──いやあ、それはそれは。 あの方は国語教師を、自分と同世代だと思ってくださっ…

沈黙するためには、ことばが必要である。

石原吉郎『望郷と海』2012/12/20(木) 明日から二泊三日の関西旅行。 今回は目的がまたひとつ増えた。鮒伊の鮒寿司をゲットすること。でも、その話はいずれまた。 今日は、先週からぼちぼち読みはじめた、石原吉郎『望郷と海』から、いくつか引きます。まだ…

勘三郎追悼授業

2012/12/13(木) GFsへ 昨日から周囲が急に騒がしくなった。 民主党、みんなの党、自民党。宣伝カーがなにやら言い立てていく。 チビたちは大忙しで吠えまくる。自分たちの安寧・この場所の秩序を破るものにはやたらと敏感で、断固抵抗する。 ──はい、お…

冬休み特別宿題につけて

2年生へ (生物の先生には内緒の話) 今年も終わりかけている。 冬休みにはいったら国語教師は、友人たちと京都でおちあって、若狭と大阪の旅にでる。もう三〇年ほどつづいている「大掃除のときの粗大ゴミである男たち」だけでの気楽な飲んだくれの旅だ。(…

3年8組へ

3年8組へ現代文の授業を終えるにあたって。 2012/11/末 四月に出会ったばかりだったのに、もうお別れの時がきた。 私の母校の講堂には、「一期一会(いちごいちえ)」という額が掲げられていた。「こうして会えるのは、これが最後かもしれんと思えちゅう意味…

夏目漱石『こころ』

試験にはあまり役立たない補助プリントⅢ夏目漱石『こころ』への感想と意見 ・単純で簡単な話なのに、なぜこんなむずかしいことになるのだろう。a k ・『こころ』には生々しいほどに分かりやすくて引き込まれる表現がたくさんあった。z ・『こころ』を読ん…

はい、じゃぁまたね。

2012/11/23寸感 漱石の『老子の哲学』を読んだあと、なにやら考えている。 布団にはいったら頭が動き出す。動き出したとき浮かんでくるのは、どういうわけか三好達治の『乳母車』母よ── 淡くかなしきもののふるなり 紫陽花いろのもののふるなり はてしなき並…

漱石の『老子の哲学』

2012/11/18 漱石『老子の哲学』 前から気になっていた漱石の『老子の哲学』を読んだ(?)。 (?)がつくのは、実は中身の何分の一かは漢文の引用で、ほとんど「ながめた」というほうが適当なくらいだから。なのに報告をしようと思ったのは、その内容が「ア…

ウモテとウラ

2012/11/14(水) 家に帰ってきたら、「16日解散になったよ。」 なんだか「ウソ。」という感じだった。テレビで見たアベさんちのぼっちゃんもそんな顔だったな。瞬時にして攻守逆転。あのときのノダ氏はまるでジョコビッチみたいでかっこよかった。ノダ党に…

南原繁『形相』補遺

三谷隆正君を憶ふ 一 如月(きさらぎ)の十七日の日のゆふべ君が五十五年のいのち畢(をは)りぬ うつそみのかなしいのちをたくましき力つくして生きし君はや あり経つつ君清らかにありしかばきよらかなる死(しに)を遂げ給ひぬ ひさかたの雲ゐにひびき白き鶴(た…

月白の道

2012/11/03(土)短信 10月末の土曜日、黒崎に庄司さやかとジャンルカ・カシオーリのデュオを聴きにいった。 庄司さやかのヴァイオリンを聴いているうちに、カザルスのチェロとの類似性に気づいた。カザルスのチェロは、言葉になる寸前の人間の声のように感…

技術の時代

2012,10,29 前回送った、吉田健一の文章についてひと言(では終わらないかも知れないけど)。 出張がはいったので放課後の課外補習の代講を頼まれた。それがたまたま吉田健一が『虞美人草』を評している文章だった。 ──そういやまだ『虞美人草』を読んだこと…

騙され上手になったとき人間は人間になった

2012/10/26(金) 昨日の朝の散歩。下の公園まで戻ってきたら、母ピッピが坐りこんでしまった。なにせ10歳だから、坂道をのぼってくるのもひと苦労だろうと思い、しばらくほったらかしていたが、いつまでたっても動かない。そこで、 ──ピッピ、お父さんは今…

母上は96歳

2012/10/21 夕方の散歩中、やっとこさで歩いている方に出会った。 ──可愛いですなあ。わたしはマルチーズのような「ぼくは可愛いよ」という顔は好かんとですたい。これぐらいグシャグシャの顔のほうがいい。 いろんなほめ方がある。 最近出会わなくなったが…

週末は今週も風邪気味

2012/10/19 週末初日は今週も風邪気味。たぶん、午後からはまた布団のなかにおさまっているだろう。今日は、見たいテレビもないし、おとなしく寝ているしかない。たいして働いているわけじゃないけど、段々こういう状態になってゆくのだろうな。まだフルタイ…

高校2年現代文補助プリントⅡ

2012/10/16 学校の根城に新しい住人が現れた。またもやうら若き女性である。 ──職員室ではなかなか集中できなくて。 朝、戸を開けたら女性二人が並んで座っていると、急に明るくなったように感じる。二人の前はGchanひとり。居心地はこれまで以上にいい。別…

南原繁歌集「形相(けいそう)」抜粋

今日もまず散歩。 いつも優しくしてくれるNさんちの方に行きたがる。しばらく見かけなかったので心配していたが、先日会えた。元気そうだった。チビたちは欣喜雀躍、狂喜乱舞。Nさんも嬉しかったんじゃないかな。しかし、あるいはもう老人会会長を引退なさ…

内山節『この村が日本でいちばん』について

連休期間、山小屋単独泊。Fはカヌー旅行。Sは有明コロシアム。Gは何をしているのか、また神主かな。 来週は答案返却。 もうめんどくさいので、門作者がつくった模範解答に手書きで必要なことを書き入れたものを印刷して配ることにしている。で、ただ配る…

また週末になった

2012/09/27(木) 今週の仕事が終わった。 来週は中間考査。少しのんびり出来る。 今日、学校に行くと、連絡ボックスに生徒会選挙立候補者の一覧表が入っていた。「あれっ?」知っている名前だらけだった。計13名の2年生のうち教えに行っている2クラスの生徒…

夜よねむれ 最終章

眞実のむこう 古人は宿る場所を確保できず仕方なしに旅寝をしたのではない。 彼らは草を枕とするためにたびに出たのだ。 もう十何年かまえになる。 篠栗駅からタクシーに乗ったとき、 八木山がところどころ色づきはじめているのに気づいた。 ──もうすぐ花見…

マクナマラのことば

2012/09/21(金) 一週間ぶりに畑に行ってみると、もうむちゃくちゃ。うちの作物と隣の作物がからみあっている。先週の颱風のせいだ。 そろそろ潮時だとあきらめて、柵や網を片付けたが、これがまたからみあっているので簡単にはいかない。シンちゃんのお母…

被害者側と同化したつもりだった権力者たち

2012/09/15 GFsへ 夏休みのやり直しもいよいよ終わる。けっきょく、ほぼ二ヶ月の飛び石夏休みだった。 長かったような、あっという間だったような。が、いい夏休みだったような気がする。 その間の自分で自分に出した宿題はだいたいできあがり。ぼちぼち…

夏休み宿題より

ジョイス「イーヴリン」(『ダブリン市民』より)と石原慎太郎「レギュラー」(『人生の時の時』より)について 二〇一二年八月 匂い 人間臭い。イーヴリンも慎太郎もとても良い匂いがします。人が人間であることと、人が動物であることを証明する良い匂いで…

短信

2012/09/06 ・井筒俊彦「大乗起信論の哲学」を読み終わった。読んでいるあいだ中、白川静の風貌がどこかに浮かんでいた。 ふたりはそれぞれ独力で、この世界のよってきたところを探りつづけた。 白川静は地底を発掘するように自分の素手で、井筒俊彦は地平の…

井筒俊彦『大乗起信論の哲学』を読む〈Ⅱ〉

福岡も涼しくなった。 とは言え、いまちょうど12時だが、袖無しのシャツとステテコで机についているのだから、どちらかといえば、まだまだ夏なのだろう。 第二部を読んだところ。 また、こちらの頭のなかのどこかに電流が通ってパチパチいいはじめ、どこか…

井筒俊彦「大乗起信論」の哲学

しばらくこの本にはまります。面白くってしかたがない。「待ってました」という感じ。タイミング抜群。 どうしていつもこんなに、最高の巡り合わせが起こるんだろう。それを不思議がっているうちに64になった。 読みはじめて二度目。30頁ほどで、「今日は…

この夏は西陵高校管弦楽部

2012/08/23(木) まず、前回ばらばらっと話したことをも一度まとめます。 人類の(いや生物全体だ)生活に欠かせないものは水と空気。そのうちの水をその一部でも管理(つまり治水)するようになったのが文明の勃興。 その水を「たかが水」と考える日本人は…

洪明甫を久しぶりで見かけた

2012/08/11(土) 本日は雨。 久しぶりのような気がする。畑の野菜も息を吹き返すだろう。 今年はキュウリと甘ウリが豊作で、まだしばらくは楽しめる。(サツマイモは別格。たぶん、10月ぶんくらいまでありそう。)トマトはさすがに終わりがけ。ニガウリは…

オリンピック雑感

2012/08/07(火) 連日連夜の睡眠不足に加えて飯塚訪問で、昨夜は眠りかぶってしまった。朝起きて、あわててインターネットを確認。ナデシコがまた勝っている。 ──スゲェ。スゴすぎる。 男子も今夜また勝って、決勝に進みそうな気がする。男女とも日本のサッ…