2010-11-28から1日間の記事一覧

堀田善衛「定家名月記私抄」Ⅱ

いつしかと外山の霞立ちかへりけふあらたまる春のあけぼの 若菜つむ都の野辺にうちむれて花かとぞ見る峯の白雪 鶯は鳴けどもいまだふるさとの雪の下草春をやは知る 大空は梅の匂ひにかすみつゝくもりもはてぬ春の夜の月 みちの辺に誰うゑおきてふりにけむ残…