いまが消費税をあげる唯一のチャンス

GFへ
 今日は、少しまじめな話がしたい。(別に、今まで、ふざけていた訳ではないけれど) あの人たちは一体この国をどうするつもりなんだろう、と不安になってくるから。
 昨日は、職場の若い人と話していて、「オレが国会議員になったほうがましじゃないかと思ってしまう」というと、「そう思っている人は多いと思いますよ」という。ちょっとこれは危機的状況じゃないだろうか。
 で、今日は、自民党への提案。簡単に言えば、「消費税を増額することを政府に要求せよ」という話です。(誰か読んでくれないかなあ)
 今の日本の国家財政は、自転車操業を通り越して、まるでサラ金地獄に陥っているようなものだ、と思う。(たいていの人に異存はあるまい)年間予算の半分しか税収がない、などという状態を来年以降も続けられるはずがない。なのに、政府はまだ、のんきな話ばかりしている。
 選挙がある以上、「増税」を言い出せるわけもない。今の与党も、前の与党も、国のことなんかより、自分たちが国会議員を続けられるかどうかのほうが大切なのだ。その根性が丸見えだから、「オレがなったほうが・・・」という気になってしまう。
 もし、自民党が、どうせ負けると腹をくくって、強引に消費税を値上げしてから潔く野に下っていたら、この国にはまだ希望が残っていた。そう思っている人はけっこう多いはずだ。
 前政権は、「財政危機」を増税なしで打開しようとして支出を切り詰め、地方を疲弊させた。ついでに、介護保険後期高齢者の何とかだとお年寄りのわずかな年金をピンハネし、福祉予算まで削ったのだから、誰も支持しなくなるのは当たり前だった。
 いま、いちばん気になっているのは、年金に頼って暮らすしかない人たちのことだ。40年間積み立てて、いざ受け取る時期になったら、やっと10万ちょっとだけと分かってがっくり来ている人たち。夫婦2人分でなんとか暮らせるつもりだったのに、夫に死なれたとたんに年金が3分の2になって(どちらも国民年金だけの場合は半額)途方にくれている人。「別に年金だけで暮らせるようにします、とか約束した覚えはない」などという強弁は止しましょう。それは、精神的な詐欺行為です。
 実際に、自分の国民年金だけの人は、手取りは月額5万円程度のはずだ。それでは簡易施設にも、特養ホームにも入れない。あとは地方自治体任せ。その自治体がもうまったく余裕を失っている。
 まず、年金枠として、5パーセント消費税をあげよう。税収は約10兆円になる。そして、それを、日本で50年以上生活している65歳以上の人すべての、月3万の年金に充てよう。
 この考えの目玉は、まず、
①該当する人でも、いま国内にいない人には年金が支給されないことにある。なぜならその人たちは〝いま消費税を払っていない〟から。
②日本に50年以上いて、いまも日本で暮らしている人なら、外国人にも年金が支給される。なぜなら、〝いま消費税を払っている〟から。
 総務省のホームページでみた資料によると、現在の65歳以上の人口は約2、900万人だ。2、900万人×年間36万円=10兆4400億円。
 年金用に消費税を5パーセント値上げする。つまり、上記の年金のうち5、220億円分はすぐ戻ってくる計算だから、だいたい見合う金額になる。
「今後、団塊の世代が加わってきたら不足するじゃないか」という意見もあるだろうが、大丈夫だ。団塊の世代の男たちは根性なしが揃っているから、長生きなんかできるもんか。消費税が払い損になることで、次の世代に貢献しよう。
 それと、これは、また別の機会に話したいが、延命治療はもう健康保険の対象外にしよう。家族が自費でそれを望む場合にのみ行えばいい。延命治療は「健康」の概念からははずれている。あれは、医療ではあっても治療ではない。「金持ちだけに長生きを許して、貧乏人はさっさと死ねというのか」と言われるなら、そういうことだ、と答える。金持ちは、意識がなくなり快復の可能性のない絶望的な状態になっても、体中に穴をあけられたり、むりやり空気を送りこまれて強制的に肺を動かされたり、心臓をいじられたりして生きろ。Wはせめて最後くらい、も少し自然に死にたい。自分は延命治療を受けたいと思っている人がいま何パーセントくらいいるのだろう。
 3万という金額にしようと提案する理由は、最初のところに書いたように、手取り額が5万前後のお年寄りに、せめて簡易老人施設や特養施設に入られる金額を渡したいからだ。あとひとつは、第1回目の消費税値上げは10パーセントが限界かな、と感じるから。その代わり、お年寄りでも生活をつづける限りは消費税を払い続けてもらう。
 すでに高額の年金を受け取っている人にさらに金を渡すのは納得できない、という向きもあるかもしれない。が、定額の3万円のもつ価値は、もともと年金や貯蓄がすくない人にとってほど大きくなる。第一、〝余った〟分は、パッパと可愛い孫たちのために使うだろうから、すぐに国庫にもどってくる。それで景気がよくなれば、なおさら国庫が潤うことになる。今だって、親の年金が生活費や遊興費の大きな部分を占めている息子や、親をどこかに預けて、残りの年金はちゃっかり外国旅行の足しにしている娘はごろごろいる。月1,500万くらいでビービー言うな。ため込まれるより使いまくってくれるほうが、われわれにはありがたいのだ。月8万の人も、月1,500万の人も平等に3万円。
「子どもに2万6000円、お年寄りに3万円」をキャッチコピーにしよう。
 外国人でも、長く日本で生活して来た人、今後も日本で生活する人には年金が自然につく。ほかの国がどういう仕組みになっているのか知らないけれど、これは、けっこう魅力的なことではないか、と思う。
 そして、あと5パーセント。
 これは、国債の利払い分だ。多分、利率は1パーセント強だろうから、10兆円でやっと、利子を払うために借金をする状態から抜け出すことができる。そこまで国民が負担したら、そのあとくらいは政治家もなんとかやりくりをするだろう。少なくとも、その10兆円で、これ以上国債を増やさずにすむはずだ。
 そのかわり、同時に所得税を1〜2割減らす。昨年の所得税は約15兆円。たとえ一時的にせよ可処分所得が1、5兆ないし3兆円増えれば、消費税増税による景気の落ち込みは避けられる。
 今、就労人口は約6割程度らしい。そのなかで月1万以上の所得税を払っている人は、たぶんその中のまた6割程度じゃないかと想像している。つまり、15兆円の所得税の大半は全人口の3割強くらいの人々でまかなっている。これは少し不公平すぎる。中には、まともに所得税を払っていないのに外車を乗り回したり、年に何度も外国に〝仕事〟に出かけたりしている人たちもいる。そう考えると、お金を使う金額に応じて納税する消費税のほうが所得税よりはるかに公平だし、累進課税的でもある。
 所得税減額の恩恵を受けず、消費税1割増の負担だけが増える人たちには、別の方策を前もって工夫すればいい。
 上のことを、自民党が政府に要求し、突き上げること。自民党が国民の信頼を取り戻すにはそれしかない。「そんなことをしたら、次の選挙でも負けてしまう」などという心配は無用です。そうしなくても次の選挙で勝てやしない。今の政権は、敗戦後に選挙権を得た人たちが〝はじめて自分たちでつくった政権〟なのです。その思い入れは深い。だから、少々のことがあっても支持率は下がらない。下がっても、その分が自民党にまわる訳では決してない。一度失った信用を取り戻すには、けっこう長い時間がかかるのは当然なのです。急がばまわれ。そんなことはありえない思うけど、民主党に先手を取られたら、次の次もチャンスはなくなってしまいそう。
 消費税を自民・民主共同であげて、痛み分けにして、そのうえで、少し余裕を作ってから、その先のことの論争をしつつ競争をしてゆけばいい。そのチャンスは、この混乱した今しかない、と思うけどなあ。
 第一、利子がほとんどつかいないという状態が、日本人から、大きな美徳だった「慎ましさ」を消し去ってしまった。せめて3パーセント程度の利子がつくようでなければ、この社会にほんとうの豊かさはもどって来ない。それには国債残高を減らすしかない。もう一度、「豊かさを分け合う」仕組みを作り直すことを考えよう。

 もし、消費税方式が大半の中所得者にやさしい方式だということが浸透したら、国民健康保険国民年金も消費税に上乗せして、個別に徴収しなくてすむようにすることへの合意も生まれそうに思う。そうすれば、自治体の事務負担は、たぶん数千億円規模で軽くなるはずだし、未加入者問題も一気に解決する。それは、若者へもやさしい社会の始まりにもなるはずだ。 
また、書きます。
2010/02/24WF