政党の既得権排除を――定数の大幅削減による政治の活性化


 現在の政治の混乱は、ただの数合わせのための国会議員乱造と、数の力だけに頼って議論らしいものが政党内部でさえも行われていず、いわば「ノリ」でものごとが決まっていくことにあると見受けます。

 そこで、以下のことを提案します。

 1、参議院から政党性を排除し、議決機関であることより、議論を優先する機関となることをめざす。
 そのために参議院は定数100人の全国区のみとする。比例区大選挙区は廃止する。選挙民にはひとり3票の投票権を与える。
 このことによって、1000万票で当選する者もいれば、10万票で当選する者もでるだろうが、改革の目的は議決ではなく議論を優先することにあるのだから、少数意見にも平等の発言権を保証するために、得票数の多寡による発言力の差を認めない。投票権を有する者も、3票行使できるのだから、三通りの選択基準をもつことができる。

 2、衆議院比例区を廃止し、現在の小選挙区を合体し、3〜5人区に再編する。選挙民にはその選挙区の定数の投票権を与える。
 現在の制度では、立候補者の人物・識見よりは所属政党を優先させ選択するしかなく、結果的に比例区での投票と選択基準がダブるだけで、そのときの風潮やノリが増幅されて投票結果に反映され、日本の政治のブレが大きくなりすぎています。複数の投票権を有していれば、も少し冷静な判断が可能になるし、人物を見ることにも意味が出てきます。もちろん過半数を狙う政党は複数の候補者を擁立しればいいし、特定政党を支持する者は支持政党に複数票を投じればよいのだから、投票権の侵害は起こりません。また、3〜5人区であれば、少数政党にも国政参加のチャンスはあります。

 3、定数削減によってあまった衆議院政党助成金は、そのぶんを議員の活動費に回す。参議院では政党助成金を廃止し、その一部を議員活動費の増額分とする。

以上、どこかの政党がこの選挙中に言い出してくださることを期待して提言いたします。