お嫁にいきたい相手みっけ


GFへ
 パリーグCS終了。最終戦は結局ほとんど見ないままに終わった。家にもどってチビたちを散歩に連れ出して、帰ってきたらもう0─4。「ぼろ負けよ。」と、恐がりの絶滅危惧種はチャンネルをかえてしまった。
──楽しみにしとったけど、もう優勝パレードは見にいかん。
 あとはラジオをつけてはいたが、こっちもまともには聞かなかった。ただ、優勝インタビューでの西村監督の冷静な声が、いかにも自然に聞こえて、その表情をみたかったなと思う。
 もともと、テレビ中継でロッテのベンチがうつったとき、西村のほんのわずかの表情の変化が面白くって、久方ぶりに男らしい男を知った気がしていた。ただし、西村の現役時代はまったく記憶にない。野球通に聞いてみると、秋山と同世代で、盗塁王を何回かとったはずだという。「首位打者もとったことがあるはずです。」しかし、「ポジションはどこだった?」と聞いても、「さあ、外野手だったかなぁ。」思いっきり地味な選手だったのだ。昨夜のアナウンサーの話では、高校をでたあと、鹿児島の地元で野球をつづけた苦労人だという。
 もし、アッシが女だったら、西村みたいな男に出会った途端、「見っけ。」自分からモーションをかけて無理矢理にでも一緒になる。安心感がもてるし──意外とどこに行ってももてそうだが──、40年たっても目があったらなにかドキドキしそうな気がする。かれに比べたら、秋山も川崎も松中も小久保も、男としては実になんちゃない。
 そう感じるのは、若い頃からそうなのか、自分が変わったからそうなのか、そこらへんはよく分からない。ただ、変わったことは事実だ。・・・何年前になるか、『ドクトル・ジバゴ』をまた見た。──若いころは、「ジバゴのような死に方」に憧れていた。その話をヨウコ先生にすると、「そりゃまず、浮気をしきらんといかんね。」──それを見てびっくりしたことがある。ジバゴの奥さん役をやっていた、たしかチャプリンの娘を「こんなにきれいな人だったのか」と感じた。それに比べたら、ジュリー・クリスティーのなんと平凡なことよ。
 だから、若いころだったら、西村のような男に出会っていても、別にそれだけのことだったかもしれない。ただ、身近にあのタイプはいなかった気がする。
 それにしてもロッテの選手たちはたくましいね。今年のCSでいちばん面白かったのは、西武との2戦目で大ピンチになったとき、前日打ち込まれた内をマウンドに送ったところだった。「やり返してこい」てなもんだったろう。熊本県にいく途中の山の中でラジオを聞いていたんだけど、ひとりで興奮していた。で、内は「やり返し」た。それに比べたら、ホークスの選手たちは、いつのまにかイイトコの坊ちゃんばかりになったように見える。

別件
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 ドイツのメルケルが、「多文化主義は大失敗だった。」と発言したという。ドイツ国内にいる他言語の人びとは、ドイツ人にとってはやはり現実ではなく、ユウレイみたいなものなのだろう。フランスでブルカを着続けている人びとも、ロマの人びとも。