尖閣諸島事件についての高校生の意見

GFへ
 書類送検された海上保安庁航海士のコメントが新聞にでていたので、高3に読ませて、「私と違う意見を書いたからといって平常点を減らしたりは絶対しないから信用して書きなさい。」といって意見を書かせてみた。こちらの予想を遙かに越えて難しそうな顔をしながら書いて提出した。回収率ほぼ100パーセント。しかも、政治的信条や宗教的信条は明かさない権利を憲法が保障しているから、名前は書かなくてもいいと言ったのに、大半の者が署名している。こんなに真面目に答えたのなら、こちらも誠意を尽くさにゃならんと思って意見集をまとめたので報告。

 逮捕に至らなかったことには、9割以上が賛成。尖閣諸島を守り抜け、が、やはり9割以上。25年前の生徒たちと比べて、まるっきり様子が変わってきている。


   尖閣諸島事件およびビデオ流出事件について、
  海上保安庁航海士のコメントを読んだうえでの感想

・ビデオをユウチュウブに投稿したことは、公務員としては間違っている。しかし、日本人としては正しかった。
・勇気をもって公表したことは正しい。しかし、あの人は実名と顔とをだすべきだ。そうでないと、インターネット上で、匿名のまま言いたい放題をやっている人と何ら変わらないことになる。少なくとも政府の意に反した行動を取ろうとするときは、それくらいの覚悟をもっていなければならないのです。
・自分は現実主義者だ。微妙な問題は、曖昧なままにできるだけ先送りするほうが賢明だ。
・あの人のような「自分」をしっかり持っている大人になりたい。
・あまりにも無責任だと思う。自分だけいい子になろうとしているように感じる。
・中国政府は船をぶつけた船長を守ろうとした。日本政府は航海士を犯罪者にしようとしている。
・航海士は、日本のよく現状を僕たちに教えてくれたと思う。
・この問題は国と国との問題なのに、なにか個人の問題ばかりが議論されている気がする。
・もし彼が映像を流出させなかったら、日本の国民と政府が対立するようなことになっていたかもしれない。
・日本と中国の関係がこれ以上悪化しないように、私たちひとりひとりも注意すべきだと思います。
・検察はちゃんと起訴をして、裁判で黒白をはっきりさせるべきです。
・あの映像は、国民に見る権利があります。その権利を憲法は保障しています。
・どのみち、この人がしなくても誰かがしていたと思う。
・日本の政府は、ほんとうに日本のために行動しているのか不安になってきた。
・僕らは、国も時代も選べないから、この国の流れについていくしかない。でも・・・理不尽さがつきまとう。
・自分もふくめて日本人全体が、この問題について自分の考えを発信していくべきだと思った。
・ルール違反はルール違反として、きちんと裁いてほしい。そうしないと、これから何がルールか曖昧になる。
・彼には、政府が「もうビデオを公開しても大丈夫」と判断するまで慎重に待ってほしかった。それくらい尖閣諸島の問題は両国にとって危険な問題だと思う。
・中国は絶対に引かないのではなく、絶対に引けない のではないか。そのことを歴史的なことを含めて考慮にいれて判断しなくてはいけない。
・最近の日本人は政治的なことへの関心が低かった。その点で今回のことは、日本人の政治への関心を高めるいい契機になった。
・この人は政府には背いたかもしれないが、国に対しては献身的だった。
・日本も中国もまだ子どもだ。子ども同士で戦争にならない程度の殴り合いをしたほうがいい。困ったときに助けてくれるのは、腹を割ってケンカしたことのある相手だと思う。日本人じたい、親を失ってよろよろしているこの国を長い目で見守ることが大事だ。
・自分をふくめて今の日本人は、目先の損得だけで動いている気がする。
・このコメントを読んだかぎりでは、国会議員の人たちよりは責任感のある人だと思う。
・真実を偽ってまで相手の機嫌をとるのは間違っている。
・今回のことは、中国がまだ完全な国になっていない、同時にこれからもなれないということを暗示している。
・中国に対して下手にでた日本はいま、世界中からバカにされている気がする。
・今回のことをきっかけに、あなたのような人が勇気をだして表舞台に出てくるのを期待します。
・「その男の素性を明かせ」と中国から言われたら、日本政府はどうするのでしょう。
・あくまで一般論だが、政治には、「泣いて馬謖を切る」ことだって必要なときは必要なのだ。

別件
 法政大学のパンフレットを目の前において勉強している生徒がコックリコックリしはじめた。肩をちょんとつついたらハッと目を覚ます。
――がんばれ。法政大学が君を待っとるぞ。
――・・・・はい、そうでした!!