ザックさん、よかったね。

GFへ
昨夜は、「決勝ぐらい応援しよう」と早くに寝たが、目を覚ましたのは午前4時過ぎ、「李が決勝ゴール」と携帯に出ていたけど疎くて、それが日本なのかオーストラリアなのかが分からずに起き出して、ニュースが始まるのを待った。今晩のスポーツニュースはゆっくる見られるかな。
 実は、ザックは、本家のイトコにそっくりなんで、応援している。良かった。良かった。
 22日、23日の卓球も面白かったが、1月9日のラグビー帝京・早大戦はほんとうに面白かった。
 縦の帝京か、展開の早大か。結果は帝京が勝った。明治がしなければならなかったことを帝京がしてみせた。
 高校ラグビーをみていても感じたことだが、たぶんルールがほんの少し変更されたことで、ラグビーが格段に面白くなった。ターン・オーバーが増えたのだ。(高校のとき、冬の体育の授業は、ラグビー長距離走のどっちかのみ。サッカーは一度もしたことがない。三年間ラグビーをやらされて、しかも三年間フッカーだったこともあって、ラグビーをみるのは他のどの競技よりも面白い。)
 タックルをされたらすぐにボールを手離さなければならないのは従来通り。そのあと地面にあるボールはどちらのものでもない(ブレーク・ダウン)のも従来通り。たしか以前はそのボールを乗り越えたら、相手のプレーを妨害した(オブストラクション)とみなされ反則になった。が、今は立って乗り越えていい。(倒れ込んだら反則)乗り越えた相手を突き飛ばして自分のチームがボールを獲得しやすいように行動してもいい。つまり、所有者のいないボールの専有権をどちらが先に獲得するかが決定的な要素になる。
 その代わり、一カ所に人数を増やすということは、相手にボールを獲得されたとき防御する人数が足りなくなる危険性をはらんでいる。つまり、今闘いがおこっている場所のチームメートがボールを供給してくれるのを信じてラインを維持するか、あるいは、まず、ボールを獲得することに戦力を集中させるか。
 戦力集中を選んだチームは、ラインなしになるわけだから、相手にボールを奪われたときは大ピンチになる。だからできるだけ味方が多いところで勝負する。分散を選んだチームは一点突破を狙う。
 昔、平和台競技場で日韓戦を見たことがある。戦法は両極端。バックスに自信がある韓国は展開しようとする。フォワードに自信がある日本は縦突進ばかり。実に退屈な試合だった。それでも時々韓国の15番がライン参加したときはドキっとする。(攻撃する韓国のほうが人数は多くなる)いっぽう日本の15番(たしか谷○という名前だった)はいつもラインと反対側にひとりでポツンとしていて何も試合に参加していない。(「そりゃただ怠けていただけだ」と筑波OBは言う)ところがその韓国の15番がついに日本のラインを突破した。前には誰もいない。そのとき、まったく反対側にいた谷○が走り出し、ゴールライン寸前でその韓国の15番を一発で倒した。試合はロースコアで日本の勝ち。ゲームプラン通りの勝ちだった。日本の15番はたった一度だけラグビーをした。「オレの今日の仕事はトイメンの15番をとめることだ」と決めて、その通りのことを確実に実行した。「面白くねぇが、真剣勝負ちゃこげんもんやろ。」
 タックルに入る者をサポートをするには、タックラーと行動をともにしなければならない。それも、タックラーがはずされたときを想定して、2人3人が続いていないと危険だ。つまり、人数をかけるということは、それだけ運動量を増やさなければならないことになる。昔のジャパンの谷○のような選手はもう試合に出られない。
 対抗戦で、帝京との後半に入るとき、明治の吉田は「強いチームは最後の10分も闘い続けられることを証明しろ」と檄を飛ばしたという。あのときは、明治のフォワードが頑張り、帝京のほうが息切れした。ただし、帝京は戦術がもうひとつ徹底していなかった。あのあと、かれらは「いま自分たちにできること」を確認し合ったのだと思う。明治は色気を捨てきれず、早大戦は練習試合のようになった。
 いまのラグビーでは、走れない者は役にたたない。どんなに体が強くても、戦端が開かれそうな戦場に到達しつづける走力とスタミナがなければただのデクの坊になる。しかも、固まろうとしたチームは、いったん抜かれたらあとは惨めだ。展開力を生かそうと我慢したほうは、ボールを獲得したとたん一気にトライを狙える。
 実際に高校ラグビー準決勝で、桐蔭の15番は、パスカットをして抜いてきた相手をほぼ90㍍追いかけて倒した。そして、自分がゴールライン10㍍でボールを供給されると、ほぼ90㍍を独走してトライした。(その松嶋は卒業後、南アフリカのシャークスに入団することが決まっているという)
 けっきょく、これからのラグビーは、「自分たちを信じること」が出来たほうが強くなる。自分たちのラグビーを相手に押しつけたほうが勝つ。そのラグビーの基本は「走ること」だ。
 ジャパンがどれだけ戦えるかは分からないけど、今年のワールドカップは面白そうだ。

追記 
 筑波大OBによると、「ルールが変わったという認識はない」という。じゃ、解釈が変わったのでは? 「う〜ん、それもない。」ということは、戦法が変わっただけなのか・・・。
 よく分からないままだが、日本選手権で帝京が社会人相手にどのくらい戦えるのか、見てみたい。何しろ一時期と違って、学生と社会人とではレベルがまるで違ってきている。

別件
 闘いつづけるのに必要なものは、自信と思いこみだ。
                   ――クルム伊達君子――