しじまのうた

 しじまのうた
                 
いや、もう語ってはならぬ
ことばはもう置いてゆけ
いや、もう残してはならぬ
ことばをただ音階とせよ
語るよりも
風がお前に教えたことを思い出せ
残すよりも
波から伝わったことを反芻せよ
お前は風
お前は波
いや、お前が単なる階調となったとき
夜はどこまでも深まり
緑はおのれに目覚め
せせらぎは慎みを忘れ
潮騒はとどろきに酔い
翅はりんと張りつめ
翼は力をみなぎらせ
世界は輝きをとりもどす
2011/2/5
追記
 先月以来、ああでもない、こうでもないと、いじくりまわしていた詩モドキがほぼ完成形になたったから報告する。出来の良し悪しはともかくとして、自分のなかでもやっていたものを吐き出せた気がして、なにかすっきりしています。

別件
 河口にはまだ鴨たちがたくさんいた。どれも丸々としている。もう、いつ飛び立っても大丈夫そうだ。