オレは道をつくる

GFsへ               2011/03/22

 原発のことが気になって仕方がないけど、のうてんきなことを書く。
(あの人たちは、既定のマニュアルしか頭にないんじゃなかろうか。しかも、想定外の異常事態が起きて原発を封印するしかないときのマニュアルは用意されてさえいない気がする。「もう限界だ。──もう既にそうなのかもしれない──。」となったとき、一気にムリヤリ決着をつけるための準備は出来ているんだろうか。その準備を指示した気配がない。というかそういう発想回路じたいがあの人たちの頭にはできていない。「あの人たち」にはマスコミも含まれる。官房長官の会見での記者たちの質問のレベルの低さに呆れる。ただ、そのまま新聞記事になる発言を要求しているだけだ。

 やっと、のうてんきな話。
 あと一本、生徒に見せたいと思っていた映画の題名が今ごろになって分かった。・・・もう生徒はとっくに出て行ったけど。・・・
 『千曲川絶唱
 Gは無理か。Fやsは記憶のどこかにあるかもしれない。
 トラックの運転手をしていたキタオウジ欣也は、自分が白血病であることを知ってヤケをおこす。しかし、看護婦星百合子の無償の愛情によって立ち直り、最後の力を振り絞って病院から道路工事に毎日出て行く。
 「オレは道をつくっている。オレのつくった道を人が歩いてゆく。」
 脚本を書いたのは松山善三だったのだそうだ。

 あの頃、売れている女優さんが、あまり食えそうにない映画監督と(正式に)結婚するのが流行っていたような記憶がある。
 松山善三と高峯秀子。小山明子大島渚。岡田マリコと○○○○。・・・・ひょっとしたら、この人たちはみな、松竹の系統なのかな?
 谷口千吉と結婚した八千草かおるはちょっと別格。何度か離婚を経験していて、もうぐずっていた谷口千吉を八千草かおるの方が説得したのだそうだ。たぶん、彼女は男度が高いのだと思う。そういう人のほうが女性セイも厚い。
 谷口千吉は大好きな映画監督だから、いつか彼の映画の話もします。

 あとひとつ、生徒に見せたかったというわけではないが、記憶に残っている映画がある。白黒の『野菊の墓』だ。出演者はまったく覚えていない。中身もほとんど覚えていない。ただ、主人と奉公人の結婚など考えられないという家族の雰囲気のなかで、婆さんが、「いっしょにさせてやれ。ワシが今までで嬉しかったのは、爺さんといっしょになれた時だけだった。」とただつぶやく。そのセリフだけを覚えている。たしか、原作にはないその部分を付け加えた人は誰だったのだろう。

別件
 近所の八重桜が咲き始めた。ソメイヨシノももうすぐだ。ただし、今年はすぐそばの公園のライトアップは中止するという。毎年、近所の老人ホームから花見にくるくらいに美しいのだが。
 いま窓から見えている目の前の山桜もきっとつぼみを潜ませていることだろう。