また誰かに会えるかもしれんよ

2011/08/24

 3日ぶりに雨があがり、朝の散歩でチビたちは、ここ数日のウップン晴らしであるかのように、ウンコをしまくった。2匹で計7回。

 朝飯を食い終えるとさっそく畑。
昨日、数十日ぶりにあつい風呂にはいったのに、今日は畑からもどってまた昨日の残り水で行水。それがなによりもの贅沢に感じる。
 夏野菜を整理して、耕し直し、青菜ものの種まきをしているところにインストラクターがきて、
──トマトはどげでしたか?
──ことしは大失敗でした。うじゃうじゃになってしもうた。
──本肥をやっとらんですか?
──はい。
──それがいかん。実がピンポン球くらいになるまで我慢して、それから追肥をやらんば。本肥をやると、茎ばっかりのびて実がならん。
──それでか。よし、来年は覚えとこう。
──いや、忘れなっせ。そげせんと、わしらの仕事がのうなる。ピーマンは霜が降りるまでなるから残しておかにゃ損ですばい。
 今日の収穫はニガウリ。(ニガウリはそのままサラダで食うか、フライパンで油いためにして醤油をかけるかするのが好み)ニラ。そのほか。
 農園にいく途中のハマボウ(農園にいくには今津湾を半周することになる)はもう終わりかけ。農園のまわりのキョウチクトウも花の数が急に減ってきた。我が家の庭では十月桜がもう咲き始めている。ネムノキは今年二回目の花盛り。近所の庭では、あれはなんという百合なのだろう、外来種のような山野草のようなパステルカラーみたいなピンクの花がよく咲いている。
 sは16日から。Gは17日から。Fは19日から仕事開始。近所の公立高校は今週の月曜日からもう2学期がはじまっていて、「9月3日の運動会まで一気です。」
 オレだけがまだまだ夏休みのつもりでいたら、どうやら9月からパートにでることとなりそうだ。「亭主元気で留守」がいいのかと思っていたら、おかあさんは少々不満らしい。列車で1時間以上かかるところというのが気に入らなかったみたいだが、地図でたしかめてみると都市高速にのればすぐだと分かり安心。
──また誰かに会えるかもしれんよ。
 あの人はときどき平気な顔をしてすごいことを言う。
 そうか、そういう考えもあるか。が、もう人間とはじゅうぶんに出会ったつもりなんだけどなぁ。

別件
 NHKBSで都はるみ特集の再放送を見た。40数年前の『あんこ椿は恋の花』の歌声が流れはじめるともうジーンときて、あとは最後まで見た。『北の宿から』にいたっては、ほんとうに寒気がしてきた。
 あの人は、演歌を歌っていても、どこかしら日本人的でない。なよっ、しねっ、がまったく似合わない。それに、あの甲高い声も日本人っぽくない。あの人には、自分が日本人であることに、あるいは自分が女であることの上に胡座をかいていない何かがある。たぶん、それに惹きつけられてきたのだろう。何かになるということは、自分のなかの何かを捨てるということなのだ。
──あたし、もう60でしょう。(たぶん、一年前の番組)それなのに『あんこ椿は恋の花』はぜんぜん歳をとらないんですよ。16才のままなんです。なんだか、あたし、それが小憎らしくなってきて、、、。
 彼女がまだ振り袖でがんばっているうちに、いちど見に行ってみたいと思う。ただし、涙、涙で見ていられないかもしれない。