日ガ里荘便り2012/01/09

 一泊で山小屋に行ってきた。今回の一番の目的は、今村さんに挨拶すること。想像していたより元気だったのでほっとした。
 庭の部屋から見えるところにシャクナゲを植えてきた。これで二株目。色違い。初夏の楽しみがひとつ増えた。明かりのあたる位置を調節しなくてはならない。2月には、阿蘇の植木市に行って、もひとつ何かを見つけるのだという。すでに「ペットと泊まれる宿」は見つけてある。
 人影はほとんどなし。みな年をとってきたので、冬場には来なくなったのだそうだ。今回は、天候を睨みながら出かけたので、温かくて楽だったが、道ばたにはけっこう雪が残っていた。

今村さんの話

 「ああセンセイ。今年もやっぱりセンセイが一番だった。はい、こちらこそまた宜しうお願いいたします。
 センセイとこはですな、新田さん(従業員の方)が人間的に管理しとりますから大丈夫です。そりゃですな、同じ、、、でも、、、やはり、、、ですな。
 この椎茸はここで採れたつ。茶はですな、わたいの故里の五ヶ瀬の茶畑のとです。熊本に出るときだったから、、、60年ほど前ですな。うちの田んぼは二反ばかり。それも20数枚だったか。その他の畑や何や合わせて一町歩ほどあったんですが、それに全部茶を植えて出て来たっです。そのお茶です。息子や孫たちにやらせよるとですが、馬力はわたいどんの倍以上あるとにですな、仕事の効率の上がらんこつ。わたいどんは、もともと百姓やから。ちゅうても、こっちはもう口だけですもんな。ま、飲んでみてください。はい、孫どんな、ここの仕事をもう80パーセントがとは覚えました。若いもんは仕事を覚えるとが早い。ですけんどが、忘れるとも早いですな。
 腰にヘルニアが出てからはですな、朝1,5キロばかり歩いたら、あとは一日中こうしてテレビば見とります。さいわい政治が好きなモンですき、退屈はしません。(テレビには野田首相が映っていた)若い頃はですな、東海大学の、、、何というたか、、、松前さんに信用されてですな。いや、自分が政治家になろうという気はなかった。ですけ、縁の下の支えを喜うでしとりました。はい、松前さんは熊本です。天草のちょっと手前の、なんと言いましたかな。そこの出身です。
 ええ、日本という国のことを思う気持ちはですな、右も左も変わりは無かっです。センセイのころの日教組もですな。ただ、たまたま入口が右だったり、左だったりするもんだから、そのまま進むしかなかっです。しかし、正しい道をそのまま真っ直ぐ進んでいくとは、なかなか難しい。誰にでも我欲が出て来ますきな。松前さんは、恐ろしうなるほどの巨万の富ですたい。いや、息子の達郎はあれは養子ですもんな。で、もう縁は切れとります。
 まだ働きよらす? そうですか。じゃ、奥さんにもよろしゅう言うといてください。」

別件
 六日の読売新聞によると、中国では、「均衡な低迷より、不均衡な成長を」という考えと、「均衡で穏やかな成長を」という意見が対立しているという。もちろん中枢部は後者を目指しているらしい。その是非ではなく、路線についての明確な議論があの国にはあるらしい。省みて、もっとも必要だと思われるいま、この国でちゃんとした議論がまともに行われているのだろうか。